施工管理技士の仕事は女性にはきついの?
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女性には施工管理技士の仕事がきつい理由
施工管理の仕事の柱は建築現場における「工程管理・原価管理・品質管理・安全管理」と、多岐にわたっており、すべて一人で担うにはなかなか骨が折れるお仕事です。
そのため、施工管理の仕事は女性にはきついものだと言われることがあります。その理由について一つずつ見ていきましょう。
体力勝負な業界なので人によってはついていけない時もある
施工管理の業務は、設計や書類作成を含むデスクワークが多くあります。同時に、現場に出て技術者や現場作業者への指導などを行う監督業務なども、同時に行っている人がほとんどです。大手では分業体制がとられていて、現場に行くことの少ない業務を行っている人もいますが、多くの中小企業は現場監督として現場でも仕事をしています。
女性にとって現場監督の仕事内容はきついというのは否めません。例えば、現場監督でも、ちょっとした荷物を運ぶ場合がありますが、女性にとってはなかなかついていけない時も。勝ち負けではありませんが、男性だったら軽々持ち上げているものが運べなかったりということはあるようです。「力ではかなわなくても体力なら」と思っていても、一般的な女性の体力では、現場で一日中立っているだけでかなりの体力を消耗してしまいます。
もちろん、なかには男性並みに体力のある女性もいると思いますし、仕事をしながら経験と努力を重ねてこの点をカバーしている方もいますので、あくまでも個人差だといえるでしょう。
時間を自由に使えないことも
施工管理の業務は多岐にわたります。デスクワークに関してはある程度自分の采配次第でスケジュールを調整できるでしょう。しかし、日々動いている現場では、建築現場での工程管理や安全管理、技術者や現場作業者への指導、工程の日程調整が必要になる場合やトラブル対応など、いつどのようなことが起こっても対応していかなくてはならないものです。予定していた自分の時間を自由に使うことが出来ない場面も多く出てくることでしょう。
急な子どもの体調不良などこちらの都合で欠勤や遅刻、早退しなくてはならないことも考えられます。そんな時、現場監督をしていれば、現場が予定通りに進まなくなり、工事に影響が出てきます。こういったときに、特に子育てをしている女性にとっては、家庭や育児と仕事の両立が大変になってくる人が多くいらっしゃいます。会社の理解、家事や育児の協力者の確保、家族の理解など。男性とは違った部分での苦労が女性の施工管理士にはあるようです。
女性で大丈夫?という偏見の目を受けることも
2017年に国交省が発表した「建設業活動実態調査」によると、建設業の女性従業者の比率は全体の約11.2%(女性18,912名÷男女合計168,689名)。そのうち施工管理などの技術職の比率は約4.5%(女性5,154名÷男女合計115,282名)とまだまだ少数派です。今まさに官民が連携して女性が建築業で活躍できるように、改善や地位向上を目指した取り組みを行っている真っ最中です。しかし実際にはまだまだ偏見も多く、発注者の方から「現場監督が女性だと聞くと大丈夫かな?と不安になってしまう」との声を聞くことも少なくないとのことです。
女性が働く環境が整っていないところが多い
この数年で建築業で働く女性の人数も増え、建設現場に「女性専用」のパウダールーム付きトイレや更衣室が設置されるようになったと聞きますが、やはりそういったところがきちんと整っていない現場もたくさんあります。
圧倒的に男性が多く、また寡黙な作業員やガテン系で気性が荒い人が多かったり、男性同士の話が続いて輪の中に入りにくいなど女性によっては居心地のよくない職場だと感じる人もいます。
一方で、以前は男性用の大きな作業着を着用するしかなかった時代もありましたが、最近は女性用ユニフォームの支給が浸透してきています。女性向けの作業服などは機能性も高く、一般の方も購入するほどおしゃれで人気になっているなど他業界でも女性の少なかった建築業の変化を認識してきているようです。
女性で活躍している施工管理技士はたくさんいる
施工管理の仕事は男女の区別なくできる仕事です。しかし、今まで男性主体で行われてきていた仕事のため、女性が行うことに違和感を感じる人が多いのも事実です。そのような偏見の多い中でも、男性以上の働きぶりで男性の現場監督にはない女性ならではの細やかな心配りや求心力で、信頼を勝ち得て仕事をしている女性の施工管理士の人も大勢います。ここでは、現在、女性現場監督として働いている人の体験談をご紹介します。
- 戸建てのような小さな現場だと女性監督が訪問した際には、「女性でよかった」「安心した」などの声をいただくことがあります。大きな現場であっても、打ち合わせの場の雰囲気が明るくなったり交渉がしやすくなったりと、男社会だからこそ「女性」を評価してもらえる部分もあります。
- 現場経験がない当初の私は、毎日先輩の後ろを追いかけて管理事項や指示事項、確認事項、会話のやりとりなどをメモして回りました。住宅の現場などでは、主婦目線というか、女性の目線が大事になることが多く、細かい部分に気がつくところがありがたいと言ってもらえることが多くなりました。
- 役所の工事案件などには入札制度が使用されることがあります。見積もりや会社の評価点、選任させる技術者や過去の実績などが評価の対象になったりします。地方によって多少は異なるようですが、女性や若者を施工管理として現場を任せると加点される現場もあります。自信のスキルアップのためにも、色んな現場を経験できるしとても必要とされているポジションなので重宝されます。女性や若者の特権です!
- 女性が現場に足を運ぶと不思議なことに現場が明るくなります。『現場が明るくなる』ことに関して自分自身は特に実感はしてないのですが、現場に行くと99%と言っていいほど職人さんに言われます。。(笑)1人の女の人がいるといないとでは現場の明るさが大分違うみたいです。
今の職場がつらいのなら
業界をあげて女性の職場環境の改善に取り組んでいる建築業界。しかし、まだまだ男性主体の職場環境で大変な思いをしながら働いていたり、働く気持ちが後ろ向きになってしまっている人もいるのではないでしょうか。
今の職場につかれたとしても、別の現場であれば違った文化が、女性がイキイキと働ける職場があるかもしれません。現に労働力不足から女性の力を求める声は大きくなっていく一方です。
自分を生かした仕事が出来るのは今の会社だけじゃないはず。会社に縛られるだけが仕事ではないはずです。働き方の選択肢の一つとして派遣で働くことを考えてみるのもいいかもしれません。
派遣で働くメリットは、仕事探しの負担を軽減できるということ。自分の望む働く条件から仕事先を紹介してもらうことが出来ます。個人では交渉しにくい労働時間や賃金などの交渉も派遣会社側のコーディネーターが行ってくれますし、働き始めてからも何らかのトラブルがあった場合は担当のコーディネーターに相談しながら解決していくことが出来ます。
今の職場からの転職を考えている施工管理技士の方。まずは派遣会社に相談してみるのも良いかもしれません。