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このページでは、建設業界で活躍する「重機」や、用途ごとに異なる重機のサイズについて紹介しています。また、重機を操縦するために必要な講習や免許取得にかかる期間・費用についてもあわせてみていきましょう。
建設現場にある主な重機
現場ではさまざまな種類の重機が使用されています。ここでは、その中で、規模の小さな現場・大きな現場のいずれでも活躍する代表的な重機と、大型解体工事などで主に活躍する重機についてピックアップしてみました。また、重機の用途ごとに、サイズが細かくわかれています。現場の指揮をとる立場にある施工管理技士としては、おさえておきたい知識のひとつです。
ブルドーザ
土砂を掘削するための重機です。地盤の状態により「乾土用」と「湿地用」とを使い分けます。トラクターの前面にブレードが設置されている構造になっています。車体の重量を先端にかけることで掘削作業をすることができます。また、掘削をしてそのまま前へ進めば、掘削した土砂を運搬することができます。
油圧ショベル・ミニ油圧ショベル
「重機」といえばこれ、というほど多くの方が思い浮かべるのが、油圧ショベルという方も多いはずです。一般的に「ショベルカー」や「ユンボ」「バックホー」と呼ばれることもあります。キャタピラーやホイールが付いている車体に、ブームやアームなどが取り付けられている特徴がある重機です。長く伸びたブームやアームの先端にショベルがついており、この部分で地面を掘ったり土砂をすくったりします。日本国内だけでなく、世界のさまざまな国々で掘削機械として活躍している重機です。
また、油圧ショベルは、ショベル部分を他のアタッチメントに交換して、掘削作業以外の用途にも適用することができます。解体作業や産業廃棄物処理、金属リサイクル、林業、農作業などが例として挙げられます。
ホイールローダ・ミニホイールローダ
油圧ショベルは主に掘削のために使用されますが、ホイールローダの主な役割は、土砂などを積み込み、運搬することです。車体前面に搭載されている、油圧ショベルよりももっと大きなサイズのショベルですくってまとめ、トラックに積み込むことができます。そして、荷役作業に使う場合には、ショベルのかわりにパレットフォークを搭載します。
足回りがタイヤになっているので、離れた場所まで土砂を運搬しやすいのも、ホイールローダの特徴です。小回りがきくので、作業効率も◎です。特に、中折式のアーティキュレート構造になっているものであれば、走行性能にも優れています。運転のしやすい、使い勝手のよい重機だといえます。
ロングアーム・ツーピースアーム・マルチブーム
ロングアームは、大型解体工事で使用されることの多い重機です。名称のとおり、アーム部分が通常のタイプよりも長いです。リーチを活かして、2階建て以上の建物の解体作業などで使用されます。また、さらに高い建物の解体作業などをする際には、「ツーピースアーム」が必要になります。これは、アームの接合部が1箇所多く、その分、さらにリーチが長くなります。5階建て程度までであれば、これで対応可能です。
そして、ツーピースアームでも対応できないほどの高さがある建物の場合は、「マルチブーム」を使用することになります。名称の「マルチ」が示すように、接合部が複数個所あります。そのため、アームの全長が40~50mにおよびます。ビルを解体する際などに活躍する重機です。
主な重機のサイズ
多くのメーカーが重機を販売しているので、サイズ展開も豊富です。用途に合うように、サイズを変更していくことが必要です。主なサイズの例は次のとおりです。
比較的小さな現場で使用される重機のサイズ
- ミニサイズ
0.1㎥よりも小さいサイズです。小回りが利くので、大きなサイズの重機が入れない現場で活躍します。 - 0.15㎥
土砂を積み込んだり大きな石をすくい込んだりする作業に適しています。
住宅の解体作業などで使用される重機のサイズ
- 0.2㎥
「コンマニ」という名称もあります。木造住宅の解体作業などに使用されます。 - 0.25㎥
「コンマニーゴー」という名称もあります。コンマニと同様、主に木造住宅の解体作業で活躍します。 - 0.45㎥
「コンマヨンゴー」という名称もあります。住宅の解体作業で使用されることが多いです。
鉄骨造やRC造の建物の解体作業などで使用される重機のサイズ
- 0.7㎥
「コンマナナ」という名称もあります。おもに鉄骨造やRC造の建物の解体作業で活躍します。
重機を操縦するには?
重機は、特殊な作業をおこなうための専門機器です。そのため、専用の免許を取得せずに操縦することはできません。法律でも定められているため、違反すると、50万円以下の罰金が科せられます。 また、事業主が無免許のスタッフに操縦させることも刑罰の対象になります。6ヶ月以下の懲役、または50万円以下の罰金が科せられます。
免許の取得に必要な講習
運転技能講習
運転技能講習の修了者になると、さまざまな重機を操縦することができるようになります。ただし、公道を運転するためには、大型免許・大型特殊免許も取得しておく必要があります。
特別教育
車両系建設機械の資格は「整地用」「解体用」「基礎工事用」「コンクリート打設用」の4種類があります。そして、操縦する重機の重量が3t以上の場合は運転技能講習が必須ですが、重量が3tに満たない場合には、特別教育の資格の取得が求められています。ただし「コンクリート打設用」は特別教育のみとなります。
免許の取得期間
大型特殊自動車免許を取得していない場合は、講習の日数は6日間ですが、大型特殊自動車免許を取得済みで、かつ、3t未満の油圧ショベルの操縦経験がある場合は、2日間です。
免許の取得費用
免許を取得するのに必要な費用は、次のとおりです。
- 2日間の場合:36,000円~45,000円
- 6日間の場合:85,000円~96,000円
実技講習へは、動きやすい服装で行くのがよいでしょう。スーツなどはおすすめできません。
まとめ
現場監督の立場にある施工管理技士は、重機オペレーターと接することも少なくありません。ですから、重機についての正しい知識を身に付けておくことが大切です。適切な現場管理のためには欠かせない知識だといえます。