建設・施工管理業の「QCDSE」とは?
目指すキャリア別!
施工管理技士の
派遣会社3選
施工管理技士としてのキャリア形成は、単に現場でのスキルを磨くだけではありません。豊富なキャリアの選択肢や専門性の追求、さらには海外での活躍を目指すことも可能です。しかし、どの派遣会社を選ぶかによって、その道が大きく左右されることも事実です。
「多様なプロジェクトを経験してキャリアを広げたい」「専門領域に特化してスキルを深めたい」「海外でチャレンジしてグローバルな視点を養いたい」— それぞれのキャリアニーズに応える派遣会社を厳選してご紹介します。
豊富な選択肢から
自分に合う工種を見出したい
コンストラクション
派遣できる工種
建築・土木・電気・プラント
資格支援内容
- 案件の領域バランスが良く、幅広い仕事のマッチングが可能
- 資格取得のサポートがあるので、経験を積みながら手に職を付けることができる
土木の分野で専門性を深めて
キャリア形成をしたい
派遣できる工種
土木
特徴
- 大手ゼネコン直取引で土木建設業・工事に特化しているため、土木分野のスキルを活かして大型案件にも携われる
- 職場を紹介してくれるので、転勤など働く場所を変えたくない方におすすめ
海外勤務を視野に入れた
経験を積みたい
派遣できる工種
建築・土木・電気
特徴
- 政府開発援助を含む、海外案件の派遣実績あり
- 電話面接や面接同行のサポートがあるので、面接の成功率を上げたい方におすすめ
建設業の業界用語
建設業界では、よく「QCDSE」という言葉が使われます。一般にはあまり耳慣れない言葉かもしれませんが、建設会社のwebサイトやパンフレットなどをのぞいてみると、実際にこのQCDSEという言葉が掲げられているのを見つけることができるでしょう。とりわけ施工管理技士になると「知っていることが当たり前」という言葉ですから、施工管理技士として働くうえでは、知っておきたいものです。
最初に簡単に説明すれば、「QCDSE」とは、「Quality(品質)」「Cost(コスト、原価)」「Delivery(工期、工程あるいは納期)」「Safety(安全性)」「Environment(環境)」という5つの言葉の頭文字からなる言葉で、建設業における重要なポイントを指して使われる言葉になります。高品質な建設物を、あらかじめ設定されている予算、工期を遵守して、かつ建設現場における様々な安全性の確保および環境にも配慮しながら完成させること。QCDSEという言葉は、その重要性を示しているのです。
5つの要素それぞれが重要
一般的にビジネス全般において、「QCD」という言葉が使われます。
- Quality=品質
- Cost=原価
- Delivery=納期
それぞれの頭文字をとった言葉ですが、建設業界では下記の要素も追加されます。
- 「Safety」=(安全性)
- 「Environment」=(環境)
品質が安定した商品を、原価をおさえながら、しっかり納期を守って納品する、という考え方は、建設業界もビジネスである以上、建設業界においても変わりません。これらは仕事をするうえで、欠かすことができない共通認識なのです。
また、「QCDSE」という語の並び順は、それぞれの優先順位を示しているわけではありません。「Q=品質」「C=原価」「D=工期」を優先するあまり、建設現場で働く職人さんや作業員の安全性が疎かにされてしまうと、とりつかえしのつかない大事故がおきかねません。反対に原価や工期を優先するあまり建設を行う環境を無視してしまえば、後々に大きな問題になってしまいます。
むしろ、S=安全性やE=環境がきちんと整っていることによって、建設物の品質も高まることに繋がります。そのため、これら5つの要素はそれぞれが欠かすことができない重要な認識なのです。
施工管理業におけるQCDSEの意味
ここからは、施工管理の仕事におけるQCDSEについて、それぞれのポイントが具体的にどのようなシーンで重要になるのか、解説します。
施工管理の「Q(品質)」とは?
建造物で求められる品質とは、その建物を利用する人々の安全性を守ることです。そのために求められることは、建設物の設計書を遵守しながら工事を行い、建造物の強度や構造といった安全基準を満たすことにほかなりません。住宅をはじめとする建物はすべて、建設された後、何十年という長い期間にわたって利用されることになります。だからこそ、設計書に基づいた建物の安全基準を遵守することは、実現しなければならない建物の品質と言えるでしょう。
施工管理技士は、設計書の通りに工事が進んでいるかを確認し、建物の品質を管理する必要があります。とりわけ、地中の基礎部分や建物の壁内の耐火構造の工事は、建物が完成すれば確認することができない部分になるため、確実な品質管理が求められます。そのため、クライアントに建物の品質を証明する資料として、計測や施工の作業を写真で撮影しておくことも少なくありません。
施工管理の「C(原価)」とは?
施工管理技士は、建造物の品質を遵守しながら、作業員の人件費や建材などの材料費といったコストを管理します。言い換えれば原価管理という業務です。
施工管理技士が行う原価管理のポイントはどのようなところにあるのでしょうか?ひとつは、企業ができる限り利益を確保できるように、原価を抑えること。達成するために役立つのは、「予算書」の作成です。建設工事に着手する前に、あらかじめ工事に必要なコストと目標利益を予算書として定めておき、目標利益を実現するために削減しなければならないコストを数字として把握しておくことです。
工事がスタートしたら、「作業員の配置は効率的か」「材料の発注量が適切か」などを管理します。人件費や材料費を抑えるためには、何社からか見積もりを取り比較することも重要です。工事中に赤字になるリスクがある場合は、予算を見直す必要があります。
施工管理の「D(工期)」とは?
建設工事は、予定通りの工期で完成できるよう進める必要があります。そのため施工管理技士は、作業スケジュールの管理を常に怠ることなく行わなければなりません。現場によっては、スケジュール通りに工事が進まなかった場合、違約金が発生することもあるので、施工管理技士のスケジュール管理はとても重要なのです。
しかしその一方で、「工期さえ間に合えばいい」という考え方が誤りです。たとえ工期が間に合っても、品質と予算を遵守しなければ意味がないからです。
正確な工期の管理には、「工程表」が欠かせません。作業の項目や必要日数、進捗率などをまとめ、天候やアクシデントがあった場合にも対応できるように、常に可視化しておきましょう。
施工管理の「S(安全)」とは?
建設現場で作業員に事故がないように工事を進めることは、施工管理における最大の課題です。建設現場はちょっとした気のゆるみから取り返しのつかないケガや命に関わる事故が起きる可能性が生まれてしまいます。そのため安全性を確保するために、危機管理と対策をしっかりと行わなければなりません。
建設現場における安全対策には、落下防止の手すりや安全帯の装着の徹底、作業機械の定期点検、現場における危険の情報共有などが有効です。建設現場の安全管理は、作業員ひとりひとりの意識がなければ実現しません。施工管理技士は、現場におけるヒヤリ・ハットの事案を掲示したり、朝礼時に全員で共有するといった注意喚起を積極的に行いましょう。
施工管理の「E(環境)」とは?
施工管理技師の環境管理は、「自然環境」「周辺環境」「職場環境」の3つの環境が対象になります。現場におけるこれらの環境を適切に保つことが必要です。
自然環境の配慮としては、建設現場やその周辺地域における土壌、地盤、水、空気といった環境に対して、工事が悪影響を及ぼさないことが求められます。周辺環境としては、現場周辺の住人に対する騒音や振動、粉塵の被害やクレームが発生しないように対策することが求められます。職場環境は、現場の作業員や職人がストレスなく働きやすい現場づくりを行うことが求められます。
すべてが欠かせないQCDSE
QCDSEそれぞれがひとつでも欠けると、良い建物をつくることはできないのです。また、最近の建設業界では、これらのうち、S=安全とE=環境を重視する、という考え方が根づき始めています。作業員と建設現場の周辺環境に配慮した工事の進め方が求められています。