施工管理技士は激務？

施工管理が激務と言われる理由

職場環境の過酷さ

施工管理の仕事は、しばしば過酷な職場環境で行われます。現場は屋外が多く天候の影響を受けやすいため、炎天下や寒冷地での作業も多く、身体的な疲労が蓄積しやすくなります。また、工事現場は常に危険が伴う場所であり、安全確保のために常に注意を払う必要があります。疲労と常に緊張感のある状態が精神的なストレスの要因となり、施工管理の仕事をさらに厳しいものにしています。

バランスがとれない働き方

施工管理の仕事は、プロジェクトの進行状況や納期に大きく依存しています。そのため、働き方のバランスが取りにくくなることも。例えば、工期が迫っている場合は、昼夜を問わず現場にいることが求められることがあります。

また、突発的なトラブルや変更にも即座に対応する必要があり、計画通りに進まないことも少なくありません。家族や友人との時間を確保することが難しく、プライベートの時間が犠牲になりがちです。

労働時間と休暇の少なさ

施工管理の職場では、長時間労働が常態化しています。プロジェクトの進行状況に応じて早朝から深夜まで働くことが求められるためです。また、近年は改善傾向にありますが、週末や祝日も休みが取れないことが多く、年間の休暇日数も他の職種に比べて少ない傾向にあります。

特に、工期が厳しいプロジェクトでは、連続して休みなく働くことも珍しくありません。これが身体的および精神的な疲労を増大させる原因となっています。

ストレス要因の多さ

施工管理の仕事には、さまざまなストレス要因が存在します。まず、工期内に一定の品質を保って成果物を提供する責任を負っているため、プロジェクトの成功に対するプレッシャーが大きくなりがち。

また、複数の業者や職人とのコミュニケーションや調整が必要であり、人間関係のトラブルも発生しやすいようです。さらに、予算の管理やコスト削減のプレッシャーも加わり、これらが総合的にストレスを増加させる要因となっています。

職場で違いはある？

大きい施設は忙しくなる傾向がある

施工管理の激務さは、担当する施設の規模によっても大きく異なります。大規模なプロジェクトでは、管理すべき項目や調整するべき事項が多く、多くの業者や職人を統括する必要があります。このため、計画の立案や進捗管理に多くの時間と労力を割かなくてはいけません。

結果として、勤務時間が長くなり、休暇が取りにくくなる傾向が見受けられます。特に、人が集まる大都市圏での大規模建設プロジェクトは激務になりやすい傾向があるようです。

人手不足の職場ほど激務になりやすい

人手不足も、施工管理が激務となる大きな要因の一つです。特に、中小規模の建設会社では、経験豊富な施工管理者の確保が難しく、一人の担当者に多くの仕事が集中することがあります。このような場合、担当者は多岐にわたる業務をこなす必要があり、結果として労働時間が増加し、休暇が取りにくい状態に。

また、新人や未経験者の教育・指導も業務に含まれるため、さらなる負担がかかります。人手不足の職場では、施工管理者の負担軽減ができるような取り組みをしていく必要があります。

資格で違いはある？

施工管理の仕事は、どの仕事も簡単ではありません。しかし、大規模な公園や道路緑化工事などの際に必要になる造園施工管理技士は、労働災害や危険度の可能性が低いことから、比較的激務というイメージからは遠いかもしれません。

働きやすいのは派遣会社

圧倒的な売り手市場と言われる施工管理技士。少しでも好条件で施工管理の仕事に就きたい、未経験でも就業しやすいということであれば、いちばん良いのは派遣会社の求人ではないでしょうか。

建設業界は典型的なピラミッド構造だといわれます。下請けになるほど収益が少なく、従業員の労働環境も厳しくなりやすい傾向にあります。

頂点に位置するスーパーゼネコンならともかく、その下に位置する中小の規模の建設会社では、正社員として入社しても、建設業界の現場には経費削減のシワ寄せがきて、新人を採用しても教育や指導を行なえない、工期を短くするために日々の労働時間が長くなる、そういった現状があると聞きます。

しかし、未経験者からの育成に力を入れている派遣会社であれば、残業時間などを気にすることなく、自分のペース働きながら手に職をつけることも可能です。

施工管理技士が派遣で働くメリット

施工管理の仕事は激務だと言われることも多いですが、それでも「この仕事を続けたい」と思っている人も多いはず。そんな人にとって、派遣という働き方は、意外といい選択肢かもしれません。

ここでは、施工管理技士が派遣で働くメリットを紹介します。

未経験からでもはじめやすい

建設業界は慢性的な人手不足。とくに施工管理技士はニーズが高いため、派遣の求人でも「未経験OK」のものがたくさんあります。

多くの派遣会社では、就業前に1か月ほどの研修制度を設けていたり、現場での育成を前提とした配属を行っていたりするため、異業種からの転職でもスムーズにスタートしやすいのが特長です。

実務経験を積みながら資格取得も目指しやすく、キャリアの土台を築くには理想的な環境です。

ワークライフバランスを保ちやすい

施工管理＝長時間労働というイメージが強いですが、派遣社員は労働契約に基づいて働くため、無理な残業や休日出勤が発生しにくい傾向にあります。派遣先との契約内容により、定時退勤が前提とされているケースも多く、サービス残業は基本的にありません。

「子どもと過ごす時間を増やしたい」「趣味や勉強の時間も確保したい」など、プライベートも大切にながら働けます。

精神的なプレッシャーが少ない

派遣社員は正社員と異なり、現場の最終責任を負う立場にはなりません。施工管理技士の資格が必要な監理技術者や主任技術者として配置されることは法律上できないため、基本的には補佐的な役割で業務にあたることになります。

そのため、ミスの責任やプロジェクト全体へのプレッシャーを一人で抱える必要がなく、精神的な負担が軽くなるというメリットがあります。「施工管理の仕事を覚えていきたいけど、いきなり全部任されるのはちょっと不安…」という方には、ちょうどいいポジションかもしれません。

合わない現場は変えてもらえる

派遣の場合、「自分に合わない現場だ」と感じたら、派遣会社に相談し、別の現場に変更してもらうことも可能です。正社員であれば、配属された現場を簡単には変えられず、合わない環境でも我慢を強いられることが多いですが、派遣社員は柔軟に対応してもらえるのです。

また、決まった期間だけ働くという前提があるため、煩わしい社内付き合いや人間関係のストレスも軽減されるでしょう。

正社員より収入が高いケースも

派遣は契約単位で給与が決まるので、経験や資格がある人は、正社員より高い収入を得られる可能性もあります。とくに施工管理技士の資格を持っていて、複数の現場を経験している人は、ニーズが高く、単価も上がりやすいと言われています。

残業代も契約でしっかり支払われるので、「頑張ってるのに給与が増えない…」といった不満もありません。

いろんな現場で経験を積める

派遣という働き方では、プロジェクトが変わるたびに異なる会社・現場で働くことになります。そのため、建築・土木・設備など幅広い工種の経験を積めたり、会社ごとの施工管理手法に触れたりすることができます。

多様な現場での実績は、将来的なスキルアップや転職にも有利に働きます。「一社に縛られず、建設業界の“広さ”を体感したい」と思う人には、まさに理想的な働き方です。

正社員へのステップアップも目指せる

派遣社員として経験を積んだ後、派遣先から「正社員として来てほしい」と声がかかることも珍しくありません。いわゆる「紹介予定派遣」ではなくても、現場での評価や人柄が認められ、スカウトされるケースです。

転職サイトを介さずにゼネコンや大手建設会社に入社できる可能性があるのは、派遣という立場だからこそ得られるメリットのひとつです。